FX(為替)相場に影響を与える実需(貿易取引)の解説

FX(為替)相場に影響を与える実需(貿易取引)の解説

登場人物 


Fさん

今回は貿易取引の為替(FX)市場への影響についての解説ですね。「FX(為替)相場の季節要因〜日本市場の特徴〜の中で日本は輸出企業の方が輸入企業より多いので、輸出した製品の対価である外貨を円に替えるために合計すると円買い需要の方が大きいという話がありましたが、貿易が為替(FX)取引に占める割合がわずか7%しかないとは全く知りませんでした。そうなると、思ったよりもFXへの影響は小さいということになるのでしょうか。FX会社のニュースなどを見ていると、毎日のように「本日は113.5円台には輸入企業のドル買いが、114.5円には輸出企業のドル売り注文が並んでいます、113.5円の少し上でロング、114.5円の少し下でショート狙いです」などとまことしやかに書かれているので、輸出入企業による為替(FX)取引はは全体の数十%は占めているのではと勝手に思っていました

X君



はい、僕も全く同じ意見でしたね〜。反対に、一人一人のポジションは小さいけれどもやはり日本ではミセスワタナベの存在が大きいということですよね。「FX(為替)の市場規模」で今井先生が個人投資家の比率は50%を占めると書かれていました。世界でもトップクラスの輸出国である日本の為替取引で、個人投資家の取引高が輸出入企業の取引高の7倍以上だなんて思ってもみませんでした!

Fさん

そう言われると本当にそうですよね。そういえば、世界市場においても日本の個人投資家の占める割合が数十%という記事を目にした記憶があります、本当かわかりませんけど(笑)。少なくとも日本人がFXを好きだというのは確かなのでしょうね。アメリカ人ならなんといっても株ですからね。従来の世代とは全く異なる価値観を持つといわれているミレニアル世代でさえ、投資対象が従来世代の儲かる会社からFANNGなど自分の身の回りの会社に移っただけで、やはり株式が投資の対象の主体であることは変わらないですからね。下図は日本銀行が2018年8月14日に発表した「資金循環の日米欧比較」という論文の中に示されている表なのですが、日本では資産の半分が貯蓄で、株式はわずか10%です。FXも含まれると思われるその他は3%にも届いていないようです20年前とあまり変わっていないような気がします。ただし、このFXなどのその他の割合が徐々に高まり、株が低くなってきているのでしょうか。それに対し、米国では家計の金融資産の3分の1が株式となっています。

 

日米欧の家計の金融資産構成(出典:日本銀行)
日米欧の家計の金融資産構成(出典:日本銀行)

X君

そうなのですね、アメリカ人が株式好きだとは聞いていましたが、資産の3分の1もあるとは知らなかったです。タンス預金という言葉もある日本人が5割は現金や預金というのはわかる気がします。

日本の個人投資家の為替(FX)市場でのシェアが本当に世界でも10%以上だとすると、金融資産の10.9%に過ぎない株式等の中でFXの占める割合は大きそうですね。日本人は本当にFXが好きなのですね。以前に「FX口座を開設してレバレッジ1倍で外貨預金からシフトするの解説」で議論しましたが、確かに日本では個人投資家が通称ミセスワタナベと呼ばれるように女性投資家も多いし、僕のように若い世代もいるわけですものね。そう考えてみると、僕の中でも、株はおじさん、FXは若い人と女性というイメージです。ビットコインなどの仮想通貨もそうですけど。ごめんなさい、失礼なこと言っちゃいましたか?

Fさん

いえいえ、そんなことは全くないですよ。私の周囲のおじさんも皆FXではなく、投信か株ですからね、FXをやっている人は知らないです。でも、奥さんがFXをやっているとか、奥さんの友人がFXにはまっているという話は聞いたことがあるので。おじさん以外は株よりもFXなので日本どころか世界でも日本の個人投資家の占める割合が大きいということなのでしょうか。しかし、なんでこんなに日本人はFXが好きなのでしょうか?私には全くわからないです。

X君

う〜ん、流行なのかな?周りがやってるから自分もやってみようとか。FXではないですけど、ビットコインなどはまさにそんな感じですよ。

Fさん

なるほど、そうなのかもしれないですね。SNS時代で情報があっという間に拡散されますからね。FXがそんなに儲かるならやってみようとか、ビットコインで友達の友達が儲けたから自分もみないな感じなのでしょうか?自分自身を持たずにマスコミに踊らされるのは昔から日本人の特徴ですからね。

貿易の話に戻りますと、為替(FX)市場の大部分を占める資本取引にテーマがないときに相対的に突然貿易が為替(FX)市場のテーマとして浮上するという今井先生の解説でなるほど納得できました。金利差自体はテーマとしては小さいけれど相場のテーマが何もないときには金利差が重要になるという話と同じですよね。今年になってアメリカと他国との金利差が市場のテーマとなり、ドルインデックスが、2月の米国株の急落で一旦下がったのですが、4月以降はずーと高値圏で推移していますエマージング市場から米国市場へのレパトリも進み、アルゼンチンやトルコなどが金融危機にさらされています。米国株が史上最高値を更新していましたが、10年物米国債の金利が2月同様に再び上昇し7年ぶりに3.2%を超えてきました。今井先生の書かれているリスクオフムードが強まってきた感じです。

X君

はい、トランプ大統領のおかげで、今井先生の解説されているように貿易収支が今年の相場の大きなテーマになっていますしね。貿易は為替(FX)市場全体の7%しか占めていないということですが、シェアは相場とは関係ないということなのでしょうね。

Fさん

そのようですね。シェアは関係ない、あくまでも資本市場次第ということなのでしょうね。それから、ポピュリストの政治家による政治要因も確かに大きいと思います。1980年代から90年代にかけては日米半導体摩擦が起きましたが、あれも米国政治家の国内に対する人気取りという意味合いもあったと思います。

貿易摩擦でバブル期のように投資が非常に盛り上がっているときは市場は日本の貿易黒字のことなど見向きもしないと今井先生は解説されていますが、現在は中国の貿易黒字をトランプ大統領が大きな問題としています。米中貿易戦争の発端となった中国の貿易黒字のスーパ−301条に基づく調査を大統領が命じたのが2017年8月だということです。つまり、リーマンショック以降10年続いた株高がいつ終わるのかと市場が気にし始めた時期と一致するわけです。反対に考えると、バブルの終焉が近づいてきたので貿易黒字が問題になってきているといえるのではないでしょうか?ちょっと考えすぎですかね。