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FX初心者のための基礎知識の用語-第1章-

FX初心者のための基礎知識の用語-第1章-
目次

FX スプレッド

広げるとか伸ばすとかいう意味のspreadという英語が転じた金融用語が、そのまま日本語になりました。アメリカ人が大好きなピーナッツ・バターやイギリス人がスコーンに塗りまくるクロテッドクリーム(ちなみにイギリスでいうクリームティーは、赤道のところで二つに割ったスコーンにクロテッドクリームとジャムをたっぷり塗り紅茶と一緒に食べるアフタヌーンの一種のことを指します。日本で使用されているクリームの載った紅茶ではないです)などが英語圏でスプレッドと呼ばれますが、それもこのspreadに由来します。

FXでは、X君が説明していうように、ある通貨ペアを売買する際の売値(bidと呼ばれます)と買値(askと呼ばれます)の差を指します。近年では本当にこのスプレッドが非常に小さくなっていて、投資家側に有利になっています。例えば、ドル円は売値が110.872、買値が110.875などスプレッドはわずか0.3銭となっています!FX証券会社が頑張ってくれていますよね。

インターバンク市場(インターバンクマーケット)

英語ではinterbank marketです。銀行間取引市場とも呼ばれ、そのままズバリ銀行間で取引が行われる市場を指します。参加者は銀行を中心とする金融機関に限定されることから名付けられました。大きく金融市場と外国為替(FX)市場に分かれます。

短期資金の貸借を行うコール市場や手形を扱う市場が金融市場と呼ばれています。一方の外国為替市場には先物取引市場と直物取引市場があり、金融機関の間のやり取りで価格が決まり、それが為替レートとなります。

市場と呼ばれていますが、インターネットや電話回線でつながっているだけであり、株式のような取引所が存在するわけではありません

機関投資家

英語ではinstitutional investorsと呼ばれます。個人投資家から集めた資金を内外の株式、債券、為替などあらゆる対象に分散投資し、投資運営を行う組織のことです。年金基金や政府系投資ファンドなどの公的機関と、生保などの保険会社、証券会社、信託銀行や投資信託などの民間企業と、両方があります。

大量の資金を扱うためマーケットへの影響力が非常に大きく、バブル時代は日本の生命保険会社、現在では日本やカリフォルニアの年金基金の動きは市場の注目を集めています。ヘッジファンドなどの短期筋とは異なり、中長期の投資が主流であることが特徴です。

日本の機関投資家はその3〜4割を外貨建て運用すると言われており、FX市場への影響は小さくりません。特にリスク回避のために為替ヘッジを行うため、相場が大きく動く際にはリスクヘッジの額も大きくなり一方向への動きに拍車をかけるので注意が必要です。

公的機関は国民の税金を扱うわけですから。以前はローリスクローリターンの投資先が主だったわけです。しかし、リーマンショック後の世界的低金利時代の到来により、近年はハイリスク商品への投資も増えてきています

購買力

英語ではpurchasing powerでそのまま日本語になりました。“購買できる力という”直訳通り、その国の通貨で購入できるモノやサービスの量を表します。

通常はすべての条件が同じならば、インフレによりモノやサービスの値段が上がると購買力は下がり、反対にデフレでは上がると解釈されます。CPIに照らし合わせて計るのが伝統であり、例えは現在の日本の住宅価格はバブル期を上回るほど上昇しているので、買い手の購買力は落ちているということになります。

投資の世界では、現金でどれだけの株や外国通貨(FXにおいては)を買えるのかということになります。ある国が数10%を超えるハイパーインフレや高金利となると、その国の消費者の購買力が極端に落ちることとなります。現在のベネズエラ、アルゼンチン、最近のトルコに生じているのがこの購買力の極端な低下です。国の信用力が落ち格付けは下がり、銀行は経営危機となると、その国に投資をしたり資金を融資している国にまで影響が及びますトルコリラの暴落によりユーロも連れ安したのはまさにこのリスクが話題となったからです。

今後どう進むのかは神のみぞ知るです。17円台まで下がったからといってトルコリラに投資するのはおすすすめできません

トイレットペーパー買い占め騒動

1973年に実際に起きた事件です。イスラエルとアラブ諸国との間で勃発した第4次中東戦争をきっかけに原油価格の70%もの引き上げが決定、なぜか当時の内閣が紙の節約を呼びかけました。

その結果、「紙がなくなる」というデマが流れて、主婦が紙の中でも必需品であるトイレットペーパーの買い付けに殺到して店頭からあっという間に消えたという騒動のことです。

マスコミが価格が倍になったなどと煽ったことも、パニックの原因の一つらしいです。人間の集団心理は恐ろしいですよね。こういう話を聞くとFXでも行動心理学が重要なことが分かりますよね。

基軸通貨

基軸通貨とは、国際的な取引に使用される基準となる通貨のことです。安定して、信頼できる、変動が少ないことが条件となります。英語ではworld currency, key currencyなどと呼ばれます。

第1次大戦が終戦となった1918年まではイギリスのポンドが基軸通貨でしたが、その後ドルが並ぶ存在となっていました。そして、第2次大戦終戦直前の1944年のブレトン・ウッズ協定で金とドルとの兌換比率が固定され、以降ドルが世界の基軸通貨となっています。

しかし、2001年にアメリカで同時多発テロが起きると、米国の信用力が揺らぎ、徐々にユーロが第二の基軸通貨と呼ばれるようになりました。さらに、世界第二位のGDP国となった中国が米国は経常赤字国であるなど国力の低下を指摘、中国元も基軸通貨に加える提案を行うなどの動きも見られます。

そうはいっても、ユーロは移民問題で揺れ、その結束は急速に揺らいでいますし、中国も米中貿易摩擦や南シナ海問題などを抱えています。ドルの基軸通貨の座は消去法かもしれませんが、当分揺らぎそうもないですね。

デフレーション

英語のdeflationがそのまま日本語になりました、略してデフレです。モノやサービスの価値がお金を下回り、持続的に下落していく状況を指します。FX投資家にはお馴染みのCPIが指標となります。

通常は、不景気により供給が需要を上回る際にデフレが発生します。モノの値段が下がれば、みなさんがモノを買う意欲が高まるので需要は上がり需給バランスが均衡しますよね?この景気低迷による物価下落がデフレです。しかし、実際にデフレに突入していた2001年に経済企画庁がデフレの定義を、単に物価が持続的に下落している状況に変更しました。以降、いろいろな方が様々な定義を唱えていますが、それは省略しますね。

日本では1997年から20年以上もデフレの時代が続いています。つまり、今の若い人はデフレしか知らない世代ということになります。賃金が上がらず、金利はマイナスのままで、物価だけ上がったらどうなるのでしょうか?こうした日本国民のインフレマインドを持ちたくないという意識がデフレからの脱却を妨げているというノーベル賞受賞のアメリカの経済学者ポール・クルーグマンの指摘もあります。世界中の先進国がテーパリングQE終了に向かう中、日銀のみが未だに緩和政策を続けているのは、こうした国民の感情に迎合しているということもあるのかもしれませんね。

FX クロス取引

クロス取引とは元々は株式の世界で使われていた言葉で、一つの証券会社が同一銘柄について同量の売りと買いを同時に行い、取引を成立させるというものです。以前は証券取引所で行われていましたが、現在は立会外取引として、証券会社が顧客の売方か買方となり売買を成立される手法も存在します。

FXでは英語ではcross currencyと言います。英語ではcross tradeと書いてあるサイトがありましたが、それは上記の株式における同時売買を指しており間違いですので、念のため。なぜクロストレードという言葉がそのまま日本語となり株式市場で現在も使われているのに、FXにおいてはcross currencyがクロストレードと呼ばれているのかについては不明です。

英語の直訳のままに、本来の意味は通貨をまたぐ取引のことです。そして、この通貨とは米ドルのことです。そのため、米ドルを除いた通貨ペアに関してのみ使います

クロス取引は流動性の高いドルを軸としての取引です。例えばポンド円の取引はポンドを買って円を売る取引ではありません。ポンドドルを買い、同時にそれと同量のドル円を売る取引なのです。この同時に二つの通貨を同量売買することから、上記の株式の本来の意味と同じようにクロス取引と呼ばれるようになったのかもしれませんね。

例えばユーロ円、豪ドル円、ポンド円など円に絡んだ取引はクロス円取引と呼ばれます。

FX レバレッジ

英語で“てこの原理”のてこを意味するleverageがそのまま日本語となった経済用語です。てこの原理を利用して、少ない自己資金を外から調達した資金で補い総資産を増やすというのが元来の意味です。

しかし、ライブドアのフジテレビ買収騒動で有名になった外部から調達した資金で自己資産ではまかないきれない自社より大きな企業を買収するレバレッジド・バイアウトと呼ばれる買収手法、ヘジファンドが証券化商品の劣後部分など一般の投資家にはわからない手法で資産を膨らませる手法など、単なる借り入れ以外の様々な形態があります。

FXでは元本である証拠金の25倍(10倍までに変更すると2017年に金融庁が発表したが2018年6月現在は延期となっています)までの金額の取引をできることが認められています。例えばFX会社に口座開設後に10万円の証拠金を入金すると250万円の取引ができることになります。この元本の数倍の取引ができる形態が、FXにおいてはレバレッジと呼ばれています。略してレバとも言います。

このレバレッジがFXの魅力であるとともに、反対にリスクにもなりますので、取引の際は最初は低いレバ(倍率)で行うことを心がけましょう!FX常勝方程式では25倍のようなハイレバは推奨しておらず、5倍程度を前提としています。

FX 逆張り

英語ではcontrarian investmentと言いますが、これは大勢に反するという意味のcontraryの形容詞contrarianに由来し、相場の流れと逆の売買をするという意味です。株の世界ではよく知られた投資手法で、相場の流れに逆らい、大きく下落した時に買いを入れ、大きく上昇した時には売りを仕掛けるというものです。逆張り投資家としてはウォーレン・バフェットが有名です。

しかし、相場に方向性が出た時にその流れに乗る順張りが常道の為替(FX)取引においてはあまり勧められない手法であることは、為替(FX)ディーラーなどプロの間では常識のようです。ところが、元々株式投資に慣れ親しんでいたからなのか、Fさんのような年配の個人投資家の方は逆張りを好む傾向にあります。

この逆張り手法が、為替(FX)マーケットに思わぬ弊害を呼んでいます。レンジ相場の長期化です。為替(FX)相場には、流れがあります。この流れが、プロの投資家により加速化され、確かなものとなります。しかし、逆張り手法は相場の流れを止めるので、同じレンジを行き来するレンジ相場からの離脱を阻んでしまうのです。

FXにおいては、株式と異なり、逆張りはできるだけ避けましょう!

強制ロスカット

FX会社が設定している仕組みです。証拠金のある一定程度にまで損が達した場合に、自動的にポジション(持高)が決済されてしまいます。個人投資家にとっては損失が一定の範囲内に収まるというメリットがありますし、FX会社にとっても、個人投資家の証拠金がなくなり自社が損失を負担するのを防ぐことができます。

ただし、リーマンショックのような想定外の事件が起こり相場が大きく変動した際には、スリッページが急拡大し、設定されたレートを超えた時点で強制ロスカットが成立するケースがあるので、注意が必要です。

近年では、2015年1月に起きたスイスフランショックがありました。ユーロ/スイスフランはスイス中央銀行が1.2を割り込んだ場合は介入を行うと宣言していたので、投資家は安心して1.2に近づいた時に買いを入れることができていました。しかし、永久介入の中止を突然アナウンスし、あっという間に40%以上暴落しました。スイスフラン/円は反対に約50%急騰、強制ロスカットラインを大きく下回る下げ(上回る上げ)だったために、証拠金維持率がマイナスとなり、ミセスワタナベはすべての証拠金を失っただけでなく、追加証拠金を迫られました。しかし、支払い不可能な投資家も多く、FX会社も損失を被る事態となりました

以前は証拠金維持率が20%を下回った場合にロスカットが発動されるというFX会社が多かったのですが、この事件などを契機に50%とする会社が増えたようです。証拠金維持率には常に気を配り、ポジションは控えめにするように気をつけましょう!

FX 順張り

英語ではtrend followingと言いますが、日本ではなぜか英訳はmarket followerとしているサイトが大半でした。なぜでしょうか?

直訳すると、どちらも日本語になっているトレンドをフォローするという意味ですから、流れに乗る投資手法となります。極めてシンプルで、相場が上昇基調の時には買いを入れ、下落している際には売るということになります。

FXの世界では逆張りよりも順張りが王道と言われています。相場がブレイクしたときに、レンジ相場トレンド相場に変わった時に、その流れに乗るのが簡単だとされているためです。システムトレードを主体とするヘッジファンドの代表ともいえるCTAもこのトレンドフォロー型を基本としています。

FXにおいては、スイングトレードでさえ長くても数ヶ月です。株のように、何年もポジションを塩漬けにすることはありません。ブルーチップ銘柄やトヨタ自動車など日本の大手企業の株価と異なり、1年後の為替レートを予測することは不可能だからです!株式投資の経験がある方は、逆張りではなく順張りで攻めるように気をつけましょう!

FX スワップ金利(FX スワップポイント)

英語ではswap pointと呼ばれ、近年はそのままスワップポイントと日本語でも通じるようになってきたようです。Swapは交換するという意味ですから、FXではそこから転じて売買により交換することになる通貨ペアの政策金利の金利を指すようになりました。

外貨預金の利子と同じ概念ですがレバッレジをかけられる、FX会社により異なりますが概して外貨預金よりも高い金利、という2点が外貨預金との大きな相違点です。また、外貨預金の金利を獲得できるのは満期時ですが、スワップ金利は毎日獲得できることもメリットとなっています。このスワップ金利のメリットを利用した手法がかつてミセスワタナベ間で豪ドルやニュージーランド・ドルを対象に人気だったスワップトレードです。

FX スワップ取引(FX スワップトレード)

スワップ金利(swap point)を利用し、低い金利の通貨を売り、高い金利の通貨を買うことで、その金利差分の収益を獲得する手法を指します。長期の運用手法として用いられ、高金利通貨を購入すれば毎日金利差が獲得できることとなります。英語では金利差の交換という意味であるinterest rate swapといいます。

例えば、2018年6月に2%となったアメリカの政策金利に対して、日本は未だにマイナス金利ですから2%の金利差(もちろん年率ですのでその1日分です)が毎日入ってくるという仕組みです。さらにレバレッジをかければ、2倍とすると、年間4%の収益が獲得できる計算となります。

ただし、レバレッジに関わらず年間で2%以上円高に触れれば、収益はマイナスになってしまいます。金利が高く、さらに交換する通貨よりも今後高くなっていく通貨を購入する必要があるので、レバレッジをかける場合は1年後の為替レートを予想する必要があります。

かつての豪ドルやニュージーランド・ドルがスワップ取引で人気となった10%近い高金利時代ならともかく、リーマンショック後に世界的な量的緩和が10年近くも続いた現在は過去に例のない低金利の時代です。相場が安定している先進国通貨では上述のアメリカの2%が最も高い金利です。為替が10%近く変動しても安心だった高金利時代と異なり、わずか2%の変動でマイナスになるということです。もはやハイリスク・ローリターンの手法となってしまったので、通常のレバレッジを用いたスワップトレードはあまりオススメしません

しかし、「FX口座を開設してレバレッジ1倍で外貨預金からシフトするの解説」にあるように、現在外貨預金をしている方や考えられている方にはお勧めできます。FXは外貨預金に比べ1.手数料が安い、2.金利が高い、3.毎日金利が受け取れるからです。

レバレッジを1倍にして外貨預金と同じ為替差損リスクにした上でお目当の外貨をFX会社に口座を開いて購入すれば、手数料は安く、より高い金利が得られ、満期まで待たなくても毎日獲得できるということです

FXなどに関心がなく昔からの外貨預金を続けている方はとりあえずFX口座を開設されては如何でしょう?

FX ナンピン

漢字では難平と書きます。英語ではaverage down またはaveraging downと言います。日本語では何のことか全くわかりませんが、英語を見ると“平均を下げる”という意味なのだとよくわかりますよね。

買い(または売り)ポジションを持った後に予想と反対に相場が下がった(または上がった)場合に、平均取得単価を下げる(または上げる)ために再び買い(または売り)ポジションを持つことです。株式では常道とされている手法です。逆張りと組み合わせて使われることが多いです。長期投資に向いた手法とされています。

ところが、数年間も持ち続けることも普通である株式と異なり、FXでは一番長期の投資法であるスイングトレードでさえ通常は数週間しかポジションを持ちません。さらにFXでは、流れに乗るトレンド相場が儲けやすいとされていて、順張りと、ナンピンとは反対の手法であるピラミディング(買い載せまたは売り載せ)が基本です。ナンピンの後に相場が戻ればよいのですが、さらに下がると、ナンピンをした分損失が増えることになり危険です。

例えば1ドル=100円で最初にエントリーしたとします。1ドル=90円に下がったので、もう一度同量の買いを入れると平均取得単価は1ドル=95円となります。95円を上回れば利益が出るわけです。しかし、1ドル=80円になってしまうと、ナンピンしなければ損失は100−80の20pipsで済んだのが、90—80の10pipsが加わり、30pipsとなってしまいます。トレードの量にもよりますが、強制ロスカットが近づいてきます・・・・・。

トレンド相場になると一気に相場が動く短期投資主流のFXでは、株式とは異なり、ナンピンは基本は禁じ手であり、入れても1回を限度とすることがルールとなることを頭に入れておきましょう!

株 塩漬け

スーパーに行くとよく見かける魚の塩漬けやコンビーフなど。腐敗しやすい魚介や肉類を塩に漬けて長期保存できるようにした古来から存在する生活の知恵です。
これが転じて、日本の株式市場で使われるようになりました。持ち株が最初の取得価格より大幅に値が下がったために売るに売れない状態を言います。売却をしないと実損は出ずに含み損の状態であるために、値が上がるまで辛抱して待つ投資家が多いです。まさに鮭の塩漬け状態です。この言葉を考えた人も非常にセンスがある人ですよね、株式投資の経験のない主婦(主夫)でもすぐ理解できそうです。数年も持ち続けることは普通であり、最長でも数ヶ月しかホールドしないFXでは禁じ手です。

英語ではsalted stockというと書いてあるサイトがありましたが、もちろん違います。Lock-up stockだというサイトもありましたが、これはIPO後に一定期間売れない状態の株を指しますので、これも違います。どうも日本でしか通用しない言葉のようです。

トルコリラ

英語ではTurkish Lira。トルコ共和国の通貨で2009年に新トルコリラから現在のトルコリラという元の名称に戻りました。 高いスワップ金利を狙う個人投資家の間で、南アフリカランドに代わり、非常に人気となっています。その理由は、2017年12月に0.5%利上げを実施し12.75%という高金利となり、当時6.75%だった南アフリカランドの2倍近い高金利となったためです。その高金利を宣伝するFXサイトも多くスワップトレードを好むミセスワタナベの参入が増えたわけでた。しかし、X君が噂で聞いたように、多くの方が損失を出してしまったようです。

現在のトルコは、多額の債務残高を抱え、10%以上もの高インフレと高金利が続いています。地政学リスクも、ISの主要拠点が殲滅されたとはいえ未だに内戦状態にあるシリアやイラクと隣接し、両国在住のクルド人の力が強まりその独立問題がさらに激化しているなど、改善される見通しはありません

さらに、アメリカの金利が2%に引き上げられ、欧州でもテーパリングが進みQEの終結を議論しており、今後はエマージング市場に流れた資金は先進国に還流する(レパトリエーション)と予想されます。いくら金利が17.75%にまで引き上げられたといっても、逆に考えると、トルコ政府がそれだけ金利を上げざるを得ない上記のような状況であることを認めたということです。スタグフレーションに陥る可能性が出てきているということです。

トルコリラの購入は、なくなってしまっても問題のない、本当の余裕資金のみで行うように注意しましょう!

南アフリカランド

南アフリカ共和国の通貨で、英語ではSouth African Randです。トルコリラFX会社に採用されたのは最近のことですが、このランドは10年以上前から採用されており、スワップポイント狙いの特定の個人投資家の間では高金利通貨として人気がありました。政策金利は2017年初頭には7%でしたが7月に6.75%、2018年3月には6.5%へと利下げをしています。

トルコ同様経常赤字国で対GDP比率は高かったのですが、2017年には3%を下回り、外貨準備も健全であり、対外債務への支払いも問題がないようです。不振の個人消費を刺激するために政府が利下げに転じていることは、トルコと異なり政府の財政への自信を表していると言えるのではないでしょうか?

そういうわけで、X君がいうように、トルコリラに比べると、金利は半分以下ですがリスクははるかに小さいので、スワップ金利狙いでしたら、こちらの方がオススメのように思えますね。しかし、2018年9月4日発表の第二四半期GDPが予想に反してマイナスとなり、リセッション入りしてしまいました。流通量の少ないアルゼンチンやトルコなど他のエマージング通貨プロキシとして売られる可能せもあります。リーマンショック後2017年まで10年近く続いた歴史的な低金利時代と適温相場の間はまだお勧めできたのですが、FRBに続きECBBOEテーパリングに向かい、先進国通貨へのレパトリが起きつつある現状でエマージング通貨に手を出すのはギャンブル以外の何物でもないので、もうお勧めできないですね。

地政学リスク

英語でGeopolitical riskで地域を意味するGeographyと政治的危機を意味するpolitical riskの造語です。直訳すると、その地域特有の政治的危機となります。ある地域の政治とそれに付随する軍事的緊張がその地域の経済活動に悪影響を及ぼすリスクを指します。

日本を含む東アジアでは北朝鮮のミサイル発射実験が2017年に地政学リスクとなりました。中東ではISの脅威は軽減されましたが、イスラエルのテルアビブからエルサレムの首都移転をアメリカが承認する、イスラエルとレバノン(ガザを含む)の反政府組織ヒスボラとが軍事的衝突を繰り返す、イエメンでのイランとサウジアラビアとの代理戦争、ヨーロッパではイタリアやオーストリアでのポピュリズム政党の勢力拡大と移民制限問題など、世界中で地政学リスクが拡大しています。

この地政学リスクは通常はその周辺地域の通貨への売りという形で現れFX相場に影響を与えるので常にウォッチする必要があります。例えば、2018年8月には、米中貿易摩擦で、流通量の少ないアジア通貨のプロキシーとして、中国やアジアとの取引が深い豪ドルが予想外に売りを浴びることになりました。また、中東情勢は原油価格に大きな影響を与えるので、特に注意が必要です。

円の場合は有事の円高となりますので、東アジアで地政学リスクが生じた際には、その円安要因と有事の円高が綱引きとなりますので、どちらに動くか予想しづらいです。そうした際は“休むも相場ですよね!ポジポジ病にかからないよう気をつけましょう!

経常赤字国

経常収支が赤字の国のことです。英語ではcurrent account deficit countriesとなります。

経常収支とは、一言で言うと、その国の収支が海外に対して黒字なのか、赤字なのかということで、居住者と非居住者との間で行われた経済活動である国際収支の状況を指します。

輸出入の収支である貿易収支、海外旅行や国際輸送などが黒字か赤字かをみるサービス収支、親会社と子会社間の配当や利子などからなる直接投資収益と投資した金融商品の配当や利子である証券投資からなる第1次所得収支、本国居住者と海外居住者間の収支でさる第2次所得収支の4つで構成されています。

経常赤字国は海外からの資金を誘致して赤字を埋めようとします。アメリカのような格付け会社からの評価が高い先進国の場合は国際信用度が高いため、国債を発行しても、高価格(低金利)で購入してもらえます。しかし、格付けが低い場合は先進国であっても信用度が低いため、金利を高くせざるを得ないわけです。ポピュリスト政権が誕生してEUと揉めている現在のイタリアがあてはまりますよね。まして、エマージング市場の国々が国債を発行する際は低価格(高金利)にしなければ買い手がつかなくなるわけです。

高金利につられてエマージング通貨でFX取引をする際は、通貨の暴落の危険もありますので、最小限のヴォリュームやレバレッジに抑えるなど、特に気を付けましょう!

QE(量的緩和)

英語のQuantitative easingの略語です。日本語では量的金融緩和政策と訳されます。金融市場の安定のために短期金利を引き下げるのが景気刺激政策の基本ですが、日本では90年代から深刻なデフレに見舞われ、金利がゼロに達してしまい引き下げの余地がなくなってしまいました。そこで、日本銀行が2001年に世界で初めて開始したのがこの量的緩和です。リーマンショック後にFRBが導入したのが2008年で、その際にQE(QE1) として世界に知られるようになりました。アメリカではその後QE3まで2014年にかけて実施され、ECBBOEでも導入されました。

簡単に言うと、中央銀行が金融機関から国債などを大量に買い上げ、市場に大量にお金をばらまくという手法です。リーマンショック以降、世界規模の未だかつてない大規模の量的緩和により溢れかえった資金が商品市場や不動産市場に流れ込み、世界中が日本のバブル期ほどではないですが、プチバブルとでもいうべき状況となっています。例えば、アメリカの株式市場は、2009年からなんと10年も続くブルマーケットとなっています。先進国だけでなく、エマージング市場にまで資金が流れ込み、プチバブルのような状況は世界の果てにまで及んでいます。

相場の上昇は、いつかは終焉を迎えます。宴の終わりは2019~20年という説がマジョリティーのようですが、果たしてどうなるのでしょうか?

FRB(FED)

英語でFederal Reserve Boardの略語、連邦準備制度理事会のことです。アメリカの中央銀行にあたり、理事長を中心に7名の理事から構成されています。 日本ではFED(フェド)という言葉がよく用いられますが、これはFederal Reserve Systemの略であり、アメリカの中央銀行制度である連邦準備制度そのものを指すことになります。FEDが動いたという言い方がよくされていますが、動くのは、制度ではなく理事会なので、厳密にはFRBの間違いです。しかし、そこまで厳密に使い分けている方はアメリカでも少なく、FEDFRBどちらでも問題ないと思われます。

中央銀行ですから日銀同様その主な業務は、国債などの売買による公開市場操作、金融政策の実施、市中銀行の管理と規制となります。 また、ニューヨーク、ボストンなどの主要12都市にある連邦準備銀行を統括する組織でもあります。この12都市の連邦準備銀行から選出される5人の総裁とFRBの7人の理事からなる金融政策の最高決定機関がFOMCです。

IS

英語のIslamic Stateの略語です。Islamic State of Iraq and Syriaとも呼ばれるためか、日本のメディアは当初はイスラム国またはISISと呼んでいました

アルカイダ同様イスラム教スンナ派のイスラム過激派ですが、2014年にイラクとシリアの一部地域を占領し、国家であると宣言した点が、広い占領地域を持たずテロ重視のアルカイダとの相違点でした。反対に、イランやシリア、レバノン、そしてフセイン後のイラクに広がるシーア派を警戒したサウジアラビアの王族からの資金提供が噂される点は、アルカイダとの相似点といえるでしょう。

しかし、2014年から欧米の有志連合によりIS攻撃が本格化し弱体化すると、2015年からはアルカイダを真似たテロ活動を開始、さらに旧来の爆弾を使用したものから銃や車両を使用したものへと戦術を変更してきたため、テロを阻止することが困難となっています。 2017年にはイラクから一掃され、シリアの重要拠点ラッカも失い、領土をほとんど失いましたが、そのテロ活動の脅威は残念ながら消えていません。

アルカイダやISの要員が多数潜伏されているとされるトルコやエジプトやシリアなどの中東のイスラム教の国々は地政学リスクが高まっているだけでなく、観光が危険を伴うものになってしまったことが、非常に残念ですよね。

テーパリング

英語のtaperingがそのまま日本語となりました。taperという先が細くなっていくという英語の名詞形で先細りになっていくが直訳です。名詞としてはスポーツ用語として一般には使われており、本番の直前に運動量を減らしていくことを意味します。これが転じて金融界では中央銀行が景気刺激策を弱めていくことが本来の意味でした。

より具体的にはQE(量的緩和)による金融資産の購入額を徐々に減らしていくこと、資産買入額の段階的縮小を指します、いわゆる出口戦略のことです。すでにFRBBOEは利上げに転じています。また、2017年10月にECBが2018年にテーパリングを開始すると発表すると、その後急激なユーロ高が進んだのは記憶に新しいところです。2018年当初は今年は日銀が追随し円高を期待していた海外投資家が多かったとのことですが、7月の政策会合でも発表はありませんでしたね。日本はまだまだ量的緩和が続きそうです。しかし、ETF買入政策では若干の変更があり、買入額を減らすことでステルス・テーパリングに踏み切ったという噂も出ています。円高要因となりますのでこの話題には目を離せませんね

ミセスワタナベ狩り

逆張りと円売り外貨買いという、日本のFX個人投資家の手法を狙って生まれた仕掛けです。相場が下がり、そろそろ底だろうということで、日本の個人投資家が円売り外貨買いのポジションを膨らませている時期に起こります。特に日本がまだ寝静まっているニューヨーク時間終盤からオセアニア時間の早朝を狙って、ヘッジファンドが円買いを仕掛けるというものです。

2011年3月17日朝5時過ぎ、ニューヨーク時間が終了するという頃、1ドル=79円80銭ほどをつけていたドル円相場は一気に76円台まで急落、76円25銭の史上最高値をつけ、1995年4月のそれまでの最高値1ドル=79円75銭を16年ぶりに、大幅に更新しました。しかし、まるで何事もなかったかのように、同日の朝10時ごろには1ドル=79円台まで戻ってしまったのです。日本のFX個人投資家の強制ロスカットを狙って、ヘッジファンドが仕掛けたのだといわれています。

シカゴIMM通貨先物ポジションを常にウォッチする習慣を身につけてください。このポジションが円売りに傾いている、つまり円売り外貨買いポジションが膨らんでいる時は、買いポジションの投げ売りを狙ったヘッジファンドによる仕掛けで急激な円高が進むことがあります。 GWやお盆休み前、新年など日本固有の休暇期間は特に注意です。ボラティリティが小さいドル円でさえ狙われるので、気をつけましょう!

シカゴIMM通貨先物ポジション

序章の今井先生のシカゴ赴任時代の話に登場した農産物から石油、貴金属、金融商品まであらゆるものを扱うシカゴのマーカンタイル先物取引市場。1898年設立の全米最大の先物市場です。この一部門がIMMで、International Monetary Marketの略語です。通貨と金利の先物とオプションを扱っています。

通貨先物ポジションはまさにその名前の通り、通貨先物のポジションを表しています。毎週金曜日の相場終了後に、その週の火曜日の各通貨のポジションが、CFTCにより発表されます。

例えばドル円であれば、ロング(買い)の枚数、ショート(売り)の何枚、差し引きしたロングまたはショートの枚数、そして前週比の増減枚数の4項目となります。

火曜日と金曜日の3日間の時差があるので、その間に相場が大きく動いたと思われる時は当てになりませんが、ヘッジファンドなどがどういうポジションを取っているのかの目安となります。今井先生のおっしゃる行動心理学、つまり相場の勝負相手である他の投資家がどういう行動を取ろうとしているかを推理する根拠となるわけです。FX取引にあたり、毎週チェックする習慣を身につけましょう!

FX システムトレード

略してシストレ。人間が判断する裁量トレードではなく、コンピュータが代わりに売買の判断をしてくれる非裁量トレードのことを指します。英語ではalgorithmic trading、それを略したalgo tradingまたはblack box tradingと呼ばれます。FXにおいては近年人気となっているので耳にしたことのある方も多いでしょう。

長所としてはまず、感情に左右されないことが挙げられます。ほとんどの機関投資家が損失を被ったリーマンショックの際にもCTAのシステムトレードが、周囲のパニック売りに左右されることなくプラスの運用成績を残したという事例があります。また、相場に張り付く必要がないことも長所といえるでしょう。

しかし、トレンドフォーロー型などいくつかのパターンから選ばねばならない、ボックス相場からトレンド相場に移行するなどパターンが変わった時にはうまく機能しなくなることなどの短所があります。

MITなど有名校の統計のプロ数十人がプログラミングしたCTAや外資系大手投資会社のシステムと異なり、個人投資家に用意されているシステムはその簡易版のようなものです。FXではシステムトレードに100%頼るのではなく、あくまでも補助として使うことが良いのかもしれません。

FX 追証

英語ではmargin callといいますがそのまま日本語でもマージンコールとも呼ばれることもあるようです。追加保証金の略語です。言葉の意味通り、相場の変動等により基準額を下回った場合に、追加しなくてはならない証拠(保証)金のことを指します。

例えば10万円の保証金を元にレバレッジ5倍で50万円のFX取引を始めるとします。見通しの誤りで証拠金が減少し、証券会社に預けている委託証拠金が50%である25万円を下回ると、追証が必要となります。

追証が発生した場合は、証拠金基準額に必要な資金を追加するまたはポジションを決済するという2つの方法があります。前者は取引を続けることになるのでリスク選好、後者はそこで損失を出してしまうリスク回避の取引となります。いずれにしろ、良い状況とはいえません。

追証が発生しないように常にポジションは小さめで、エントリー後にはストップロスオーダーは必ず入れることを習慣化しましょう!

スリップページ(スリッページ)

英語ではslippageで日本語でもそのままスリップページと呼ばれています。ネイティブ発音に近く、スリッページとも呼ばれているようです。相場のボラティリティが大きい際に逆指値注文が成立時に生じる指値と実際の約定レートの差を指します。

ストップロスオーダー発生時には相場が大きく動いているため、成行注文のような状況となり、指定した指値で約定されないことも珍しくなりません。相場の変動が大きければ大きいほど、スリッページは大きくなります。損切り注文の際は想定より損失が大きくなりますが、反対に利益確定注文の場合は利益が大きくなります。

例えばアメリカの雇用統計の発表前に1ドル=100円だったとしましょう。逆指値を上は101円、下は99円に入れていたとします。想定外の結果により発表後についた最初の価格が101.23円とすると、約定価格は101円ではなく101.23円となるということです。この23銭がスリップページです。

このスリッページはFX証券会社により異なるので、以前はスリッページを操作していない良心的な会社を選ぶ必要がありました。近年は顧客からのクレームにより以前よりそうしたことは少なくなってきているようですが、FX証券会社を選ぶ際に評判を調べるのもありかもしれませんね。雇用統計などはそれほど差が無いでしょうが、先日のトルコリラ急落の際にはFX会社によってスリッページに大きな差がついたそうです。リーマンショックなどの歴史的事件が起きた際には大きな差がつく可能性がありますから。

スイスフラン・ショック

英語ではSwiss Franc(currency) shockです。スイスフランは円と同様安全通貨とされ、リスクオフ時には上昇する傾向があります。そのため、スイス国立銀行は日本銀行と同様に、自国通貨の上昇を嫌うという特徴があります。

2011年にのギリシャ危機から飛び火した欧州債務危機では、ユーロを売ってスイスフランを買うという動きが起きました。スイスフランの上昇を防ぐためにスイス国立銀行は同年9月に1ユーロ=1.2スイスフランという上限を設定、それを上回る場合は無制限にユーロ買いスイスフラン売りの為替介入で対抗するという市場への強いメッセージを送りました。

この方針は3年以上続き、投資家は安心してユーロ買いを進めることができました。低金利のスイスフランを調達し高金利の資産、特に不動産に投資するキャリートレードがハンガリーやルーマニアなどの中欧・東欧諸国で盛んに行われていました

しかし、ECBQE(量的緩和)を進めたこともあり、ユーロ安スイスフラン高圧力が高まり、これ以上の自国通貨防衛は困難と判断、15年1月に突然1ユーロ=1.2スイスフランという上限を撤廃しました。市場では大きなサプライズとなり、わずか数10分で1ユーロ=0.8フランに急騰しました。日本ではスイスフランの取引自体が少なかったので打撃は欧米に比べると格段に小さかったわけですが、個人投資家はスリッページが通常では考えられないほど拡大し、逆指値レート以上に大きな損失を抱えて強制ロスカットされ、支払不能に陥る方も出たためFX会社も損失を被ることとなりました

2018年に暴落したVIX指数(恐怖指数)も同じですが、相場では何が起きるか分かりません。安全な投資で着実に少しずつ利益を得られたはずが、人生最大のコツコツドカンとなってしまいます。そう言った意味ではギャンブルなので通貨のキャップ制(上限制)を利用したトレードはオススメできません

インフレーション

英語のinflationがそのまま日本語になりました、略してインフレです。モノやサービスの価値がお金を上回り、持続的に上昇していく状況を指します。FX投資家にはお馴染みのCPIが指標となります。

通常は、好景気により需要が供給を上回る際に需要引下げ圧力が生じ、発生します。モノの値段が上がれば、みなさんのモノを買う気が失せるわけですから、需要は下がりますよね?この物価上昇がインフレです。

経済が成長し賃金も上昇する際に、賃金上昇を下回る穏やか物価上昇が起きるのでしたら、国民はハッピーです。日本の高度成長期がこれに当たります。しかし、不況下で賃金が上昇しないのに、物価だけが上昇することがあります。これはスタグフレーションと呼ばれますが、非常にアンハッピーな状況です。これについては別途解説します。

スタグフレーション

英語ではstagflationといいます。不景気を意味するstagnationとインフレーションinflationが組み合わさってできた言葉です。そのまま日本語となりました。言葉の通り、景気後退時にインフレが起きる状況を指します。

今井先生の解説にあった通り、不景気の際は物価が下落しデフレ状態となるのが通常です。しかし、いくつかの例外も起こり得ます。例えば、エマージングマーケットで政治の混乱などにより国家の信用が落ちると通貨が下落し、輸入物価が上昇します。その結果、不景気であってもインフレ状態となるわけです。また、同じように後進国(特に経常赤字国)で供給能力が不足している際に景気刺激策をとると需給ギャップでモノ不足となり過度なインフレが起きてしまい、インフレ抑圧のために緊縮政策を採用すると景気後退に陥り、インフレも穏やかになるものの引続き残り、スタグフレーション状態となります。

また、かつての1970年代のオイルショック時には、原油の多くを海外からの輸入に頼っている状況で原油の高騰が起きました。このため、欧米や日本のような先進国においても、景気後退かつインフレ状態となったわけです。

スタグフレーションになると、景気後退のために賃金は上昇せず、重度の場合には賃金が下がり、さらには失業率が上昇することになります。そこに物価の上昇が追い打ちをかけるわけですから、たまったものではなりません。政府もスタグフレーションに対してはあまり有効な打開策をもちえません

現在日本は、数十年にもわたるデフレ状態にあります。しかし、第二次大戦後にはこのスタグフレーションを経験していない(第一次オイルショック後の短期間を除く)ということは、我々日本人はそれを体験している国々に住む方々と比べると、ずーと幸せだと言えるのではないでしょうか?

アジア通貨危機

英語ではAsian Financial Crisisです。1997年にタイで始まったこの通貨危機はインドネシアなどのASEAN諸国に加え、韓国にまで影響が及びました。

日本などを例外とし、当時の東アジア、東南アジア諸国は自国通貨とドルを連動させるドルペッグ制を採用していました。アジア諸国は日本同様輸出国です。安い人件費を求めて欧米日のグローバル企業の工場が多く進出していました。しかし、1.中国が92年から社会主義市場経済体制に移行し、より安い人件費を求めて東南アジアから中国への工場のシフトが起きつつあった、2.アメリカが1995年の1ドル=79.75円の最高値以降ドル高政策に方針を転換、98年には146円をつけ、この結果、ドルに連動した東南アジアや韓国の輸出力はドル高=自国通貨高により急激に落ちていました。この二つの理由により、韓国や東南アジア諸国の輸出は激減し、GDP成長率も低迷しました。各国の財政は赤字(経常赤字国)で、外貨準備高も小さく、自国通貨安になった際に自国通貨を買い支える資金も不足していました。

ここに目をつけたヘッジファンドが、韓国や東南アジア諸国のの通貨に大量の空売りを仕掛けると、一度は外貨準備の切り崩しで対抗したものの、再度の空売りでアジア諸国の通貨は暴落しました。ドルペッグ制も破棄され、変動相場制に移行すると、ドルに対して半分以下の価値となり、IMFからの救済を受けることとなったわけです。ムーディーズなど格付け機関によるソブリン債の格付けの変更も追い打ちをかけました。

現在も実体経済の裏付けのないエマージングマーケットにさえ、世界的な大規模な量的緩和による有り余った資金が溢れかえっています。しかし、アメリカを先駆けとした金融引き締めにより、こうした資金はアメリカを中心とした先進国に還流しつつあります。これにヘッジファンドが目をつけていないはずはありません。トルコリラの2018年8月の暴落はまさにこのアジア通貨危機と似たような状況と言えるでしょう。しかし、アジア通貨危機の時代と比べると各国の外貨準備高が数倍から数十倍になっているので、他国への波及は心配ないというのがエコノミストやストラテジストの意見ですが。

アジア通貨危機と同じようなことが中東やラテンアメリカでいつ起こっても不思議ではなりません。高金利のエマージング通貨に投資している方は気をつけましょう!

有事のドル買い(有事のドル高)

英語には当てはまる言葉はありません。1990年代まで株や為替(FX)の相場関係者に用いられた相場格言の一つです。戦争や天災などの有事の際には、基軸通貨であるドルを買うのがセオリーだというものです。

実際、過去にはイラクのクウェート進行や中国の天安門事件の際には、ドル買いが起こりました。しかし、今井先生が第2章以降の本文で詳細に解説されていますが、9.11として知られる2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件以降は、有事のドル買いはあまり聞かれなくなりました。アメリカ本土が攻撃されたことにより、その通貨であるドルの信用も落ちたということでしょう。現在では、有事の際にはスイスフランや円が買われることが多いようです。しかし、2018年5月以降にはリスクオフ時にもドルがなかなか崩れない状況が続いています。有事のドル高が蘇ったかのようです。

FX ディップ(押し目)

英語ではdipです。野菜スティックやバーニャカウダを注文するとソースがついてきて、そのディップソースに野菜を浸して食べますよね?この浸すや沈めるという意味のディップです。

ディップには他に価格が下がる、落ちるという意味もあり、そこから転じて株やFXなどの相場の世界では、いわゆる押し目のことを指すようになりました。

トレンド相場が形成された際でも一本調子に上昇するわけではなく、一時的に流れと反対方向に動く、つまり少し落ちることがありますよね。これが押し目です。

FX 押し目買い

英語ではbuy the dipまたはbuy on dipといいます。ボックス相場からトレンド相場に移行したのに気づかずに相場の流れに乗り遅れた場合に、一時的に相場が調整した押し目(ディップ)ができるのを待って買いを入れることを指します。

ただし、トレンドが強い場合は、押し目ができないで上昇し続けることもよくあります。「押し目待ちに押し目なし」という相場格言もあるほどですので、FXではトレンドが強いと判断した場合は、押し目を待たずに流れに乗るのも一つの手でしょう。チャートだけでなく、マーケットセンティメントも重要な判断材料となります。

いずれにしろ、こうした場合は相場観相場感相場勘の三つのうち少なくとも二つを備えていないとギャンブルになってしまいます。くれぐれも気をつけましょう!

 FX 戻り売り

英語ではsell the rallyまたはsell into rallyといいます。押し目買いと反対の言葉です下落相場の流れの中で一時的に戻したところを狙って売るという手法を指します。

出来高を伴っている場合は流れが反転して相場が上昇に転じることもありますが、そうでないときは、一時的な売り方の買い戻しであり、再びベアマーケットに戻ると考えられます。こうした際に売りポジションを持つことです。

FXでは株式と異なり、順張りが基本です。出来高を伴ったからといって、この一時戻した際に売りや買いを入れる逆張り手法は、禁じ手となっています。株式からFXに転じた投資家の方は、気をつけましょう!

黒田バズーカ

黒田日銀総裁による3回行われている金融緩和策を指します。その規模の大きさから「異次元の金融緩和」とされ、市場で黒田バズーカと呼ばれるようになりました。和製英語と思われます。

量的・質的緩和とされ、国債の大量購入によるQE(量的緩和)と国債の中でも長期国債の購入による金利低下を狙う(質的緩和)を組合せたことが特徴です。短期国債でなく長期国債を大量に買い入れ、保有期間も以前の倍にするというものです。

第一弾は、2013年4月に発表された物価上昇率2%にするというものです。物価上昇率がマイナスのデフレに苦しんでいた日本にとっては大きな目標であり、そのため資金供給量(マネタリーベース)を2年で2倍にするとしたのです。この結果大量の資金が市場に投入され、モノの価値はあまり上がらなかったものの円の価値は下がり、2ヶ月で10円以上の円安ドル高となりました。それに連れて株式も、大幅に上昇しました。この流れは得意の外貨買いに当たり、非常に単調なブルマーケットだったので、ミセスワタナベも大きな利益をあげることができたようです。

第二弾は、2014年10月に実施されました。ここでは物価上昇率が1%に留まっていたことから、資金供給量の年間増価額、長期国債の買入額、その保有期間の全てを第一弾よりも増加させるというものでした。この際も第1弾同様、10円以上の円安ドル高、株高を誘発しました

第三弾は、2016年1月に実施されました。物価上昇率2%を未だ達成できておらず、量的・質的緩和から金利の引き下げに、方針を変更しました。マイナス金利を導入したのです。しかし、この政策はすでにECBもとっていたものであり、米国の金利も低く相対的な金利差は少なく、残念ながらあまり効果は産まれませんでした

レパトリエーション(レパトリ)

英語ではrepatriationで、そのまま日本語となりました。通称レパトリ。元々は移民の本国への送還や海外駐在員や戦闘員の本国への帰還という人間の海外から本国への送還、帰還を意味した言葉でした。それが転じてFXでは、海外資産の本国への回帰、送金を意味します

季節的には決算期末である欧米では12月、日本では3月にこのレパトリエーションが起こります。前者は外貨高、後者は円高要因となりますので、注意が必要です。また、リスクオフの際には、海外に投資している資金を引き上げようという動きが起きるので、先進国通貨高かつエマージング通貨となります。先進国の金利上昇局面でも、資金の回帰が起こります。

2018年6月以降起きている新興国通貨安とドル高は、まさにこの二つが合わさった現象と言えるでしょう。リーマンショック以降10年に渡って続いた世界的な超低金利時代は、終わりを告げようとしています。FEDのみが金利を2%に引き上げたため(2018年6月)ドル高が進行中です。今後、BOEECBも追随すると、2019年にはますます後進国から先進国へのレパトリが進行するでしょう。トルコリラなどのエマージングマーケット通貨をロングしている方は要注意です!

為替介入

英語ではforeign exchange interventionまたはcurrency interventionといいます。中央銀行が財務省の命令で公開市場において行う為替(FX)市場への介入を指します。

日本の場合は、円安の際には円を買い円高の際には円を売るわけですが、基本的には円高阻止で動くことが多いので、円売り(通常はドル買い)介入となります。ヘッジファンドなどによる為替レートの過度な動きを阻止するために実施されます。1国で行われる場合を単独介入、複数の国が事前に打合せて行う場合を共同介入といいます。

日本は輸出国であり、為替レートが企業業績に大きく影響するため日銀(実際は財務省の指示を受けて)が動くことが多いわけですが、市場の意思に任せることを信条とするFRBECBが為替介入をすることは、まずありません。円と同じ安全通貨で、通貨高になりやすいスイスフランを擁するスイスのみが、日本と似ているといえるかもしれません。その日本も、2011年を最後に直接的な介入は行なっていません

しかし、その後も蔵相や日銀総裁によるアナウンスによる間接的介入は未だに続けられており、ある程度の効果はもたらされています。そうはいっても、為替介入は短期的には効果があるかもしれませんが、中長期的に実施することは不可能です。そのことが証明されたのが2015年初頭に起きたスイスフラン・ショックでした。

有事の円買い(有事の円高)

英語では適当な言葉がありません。相場格言のひとつであった「有事のドル買い」を模して作成された為替(FX)用語だと思われます。

2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカとドルの信用は失墜し、代わりに安全通貨として認識されるようになったのがスイスフランと日本円でした。特に円は、1.日本が世界最大の債権国であること(対外資産が対外債務を上回っている額が世界一の黒字国家で信頼感が高いということです)、2.当時から日本はデフレであること(有事の際にリスクオフとなるとドルを金や現金に替える動きが起こるわけですが、モノの価値が低くお金の価値が高いデフレ状況下の通貨である円は、インフレ状況下の国々の通貨よりも、価値が下がらないからです)、3.円キャリー取引の巻き戻しが起きること(有事の際には低金利の円を売って高金利の新興国通貨で株や債権の運用をしていた投資家が、リスクオフとなると取引を手仕舞うためです)から、有事の際にはドルではなく円が買われるようになってきました。

ただし、北朝鮮のミサイル発射など東アジアの有事は日本にとっては地政学リスクが発生しますので、有事ではありますが地政学リスクによる円安と有事の円高の綱引きとなり、どちらに転ぶかはわかりません。気をつけましょう!

ドルペッグ制

英語では a dollar pegという言い方も一応はあるようですが、exchange rates pegged to the U.S. Dollarという表現が一般的であり、和製英語といえるでしょう。ドルの価値と連動して自国通貨が上下するように、ドルペッグ制を採用した国の中央銀行が為替レートをコントロールすることを指します。自国の為替相場が不安定になりがちなエマージングマーケットが採用することが多いです。

以前は韓国や東南アジア諸国が自国通貨を防衛するためにドルペッグ制を採用していましたが、90年代後半のアジア通貨危機を機に、変動相場制に移行しています。現在では中国の人民元が穏やかな形の変動はなりますが、基本的にドルと連動するように元の対ドルレートを決定しています。他には中東産油国も採用しているようです。

キャリー取引(キャリートレード)

英語ではcarry tradeです。その名前通り、運ぶ取引という意味です。中でも2000年代に流行した取引で、低い金利(マイナスやゼロ)の円やスイスフランを借りて外貨に替え、その外貨でその国の株式や債券に投資するという手法です。円を用いたものは円キャリー取引といいます。

通常は投資先として、金利で為替差損のリスクが少ない先進国通貨が対象となります。円の場合はオーストラリアやニュージーランドがミセスワタナベに選ばれました。金利差と為替差益、さらには債券や株式の利益を狙うことができます。しかし、その後のリーマンショックにより大きな損失が発生したため、下火となりました

スイスフランの場合は東欧諸国で主に不動産投資に利用されましたが、スイスフラン・ショック以降は耳にしなくなりました。

政策金利を中央銀行が上げることが明確になり、ボラティリティーが小さい(つまり為替差損リスクが小さい)時がキャリートレードを始めるチャンスです。2018年7月現在アメリカは金利が2%と先進国で最高となり、年内にあと2回の利上げが織り込まれてきました。対する日本はマイナス金利のままです。また、1.日本企業のアメリカを中心とした海外企業へのM&Aが続いている、2.貿易摩擦問題は輸入国であるアメリカに有利に働き、ドル高と人民元及びそれを補う円安となる、3.QEが欧米では2018年中に終了することが予想され、後進国から欧米への資金回帰(レパトリ)が起きつつある、という現象も明らかになってきました。

米国株式は高値圏にありリスクがあるので、米国債券を対象とした円キャリー取引を始める好機かもしれません

RBA( オーストラリア準備銀行)

Rrserve Bank of Australiaの略で、オーストラリアの中央銀行のことです。

金利政策によりかつては豪ドルはスワップ取引ミセスワタナベの間で人気でした。リーマンショック後も2011年までは4.5~4.75%に政策金利を設定していました。

しかし、12年以降は利下げを続け、2016年には1.5%にまで落ちています。その後も2018年7月現在まで据え置きを続けています。現在の政策金利は米国よりも低いわけで、FXでの豪ドルの人気復活にはまだまだ時間がかかりそうです。

シティ・オブ・ロンドン

通称シティと呼ばれます、英語ではthe city。ロンドン中心部のテムズ川北岸、チャールズ皇太子と故ダイアナ妃の結婚式が行われたセント・ポール大聖堂の東に位置する、ニューヨークのウォール街と並ぶ、世界を代表する金融街です。ロンドン証券取引所、イングランド銀行を始めヨーロッパ中の金融機関が本拠としています。しかし、ブレグジット後の去就は明らかではありません。

人口はわずか8000人に過ぎませんが、通勤人口は40万人、毎年1000万人もの観光客が訪れています。是非ロンドンを訪れた時には立ち寄ってみてください。サザーク橋を渡れば現代美術の美術館としては世界有数のテート・モダンも徒歩圏内です。

コモンウェルス

英語では正式にはCommonwealth of Nationsのようですが、通称は the commonwealth、日本語では戦前のBritish Commonwealthと呼ばれていた時代の名残でイギリス連邦と呼ばれているようです。大英帝国の盟主だったイギリスとその植民地だった国家からなる国家連合で、EUとの違いはメンバーであるそれぞれの国家は独立しているということです。加盟国はヨーロッパではイギリスの他にキプロスとマルタ、アジアではインド、パキスタン、シンガポールなど7カ国、アメリカではカナダやジャマイカ、アフリカではケニヤや南アフリカ、オセアニアではトンガやフィージーなど53カ国にも及びます。共通言語は英語であり、政治だけでなく、スポーツや文化的な繋がりもあります

その中でもオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどエリザベス女王を元首として抱く国家はcommonwealth realmと呼ばれています。通貨の表に女王が刻印されているのはこのためです。

コモンウェルス加盟国の間で行われるスポーツ大会がコモンウェルスゲームスで、サッカーのW杯と同じ年に4年に一度開催されています。コモンウェルス圏ではオリンピックイヤーよりもW杯・コモンウェルスゲームスイヤーの方が盛り上がります。競技種目にはフィールドホッケー、ラグビー、スカッシュなどが含まれるのが特徴でしょうか。加盟国でこれらのスポーツが盛んなのも頷けますね。

ブレグジット後を決めるEUとの会議でイギリスが強気なことや、世界第5位のGDPであるのはこのコモンウェルス加盟国とのゆるやかだが確固たる繋がりがあるからなのでしょう。

エマージングマーケット(市場)

英語のemerging marketがそのまま日本語となりました。出現するを意味するemergingから転じて、新興国市場を指します。BRICと呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国に南アフリカを加えたBRICSをはじめ、東南アジアや中東欧諸国が含まれます。

経済が急成長しているため大きなリターンを期待できるので、リスクオン時には人気となります。反面、独裁者や軍事政権が幅を効かせるな政治面の不安やハイパーインフレスタグフレーション、通貨危機など経済的リスクも高く、投資するにしても投資信託などのリスク限定商品に留めるのが無難でしょう。

エマージング通貨

そのものズバリ、エマージングマーケット国の通貨を指します。英語ではemerging market currencyとなります。

経済がまだ弱体で外貨準備高を少ないため、金利を極端に高く設定し、海外からの資金を集めようとする特徴があり、高収益を期待できます。反面、金融市場は未発達で自国通貨の取引量が極端に少ないので、海外へ巨額の資金が流出すると変動が激しく底が見えなくなる危険があります。 アジア通貨危機 に見舞われた韓国や東南アジア諸国、アルゼンチン、トルコなどは過去に 通貨危機を経験しています。2018年8月にはトルコリラの暴落があり、年初との比較では50%ほども下落しました

FXにおいてのエマージング通貨への投資は捨ててもいいと思えるぐらいの資金で行うか、少額の余裕資金に留めるのが無難です。ギャンブルに近いと言えるでしょう。

国債(ソブリン債)格付け

英語ではrating、犬や競走馬から芸能人やスポーツ選手、レストランから観光地、そして学校や企業から国家まで、人間というのは本当にランクをつけるのが好きですよね。そしてそのランキングをつける会社が格付け会社となります。レストランではミシュランやザガートが有名ですよね。

ここでの格付けは国家に対する信用のことで、国債への格付けです。英語ではgovernment bond credit rating。ソブリン債と呼ばれる国家が発行する債券に対する価値を指します。正確には三大信用格付会社であるムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチ・レーティングスによるソブリン債の格付けのことであり、3種類の格付けが存在することになります。3大といっても実はムーディーズ、スタンダード&プアーズの2社が80%のシェアを占めるので通常はこの2社の格付けが重視されます

会社によって少しずつ異なりますが、ムーディーズの場合は最上級のAaaから最低のCまでランク付けされています。Baa3以上が投資適格、Ba1以下は不適格とされています。

この2社による格付けが変更は為替(FX)市場にも影響を与えます。通常は上がれば買い、下がれば売り、となります。もちろん「噂で買って事実で売る」の影響もありますので、見極めが必要です。あくまでも原則ですので、ご注意ください。

BOE( イングランド銀行)

Bank of Englandの略で、イギリスの中央銀行のことです。

イングランドはイギリスのうちのロンドンなどがある中南部を指す言葉です。スコットランドやウェールズ、北アイルランドは含みません。イギリス人は正確にはBritishであり、Englishはイングランドに住む人のことです。スコットランドなどその他の地域の方はウイスキーで有名なScottishなどと呼ばれ、Englishではありません。彼等をEnglishと呼ぶのはかつて占領されたという歴史的確執が未だに大きく、非常に嫌がられるので気をつけましょう。2018年のサッカーのW杯でも出場していたのはイングランド代表であり、イギリス代表ではありません。各地域がそれぞれ代表チームを持っています。ラグビーなども然りです。

話を戻しますと、本来ならBank of Britishと呼ばれるべきなのですが、こうした歴史的対立の背景からイングランド銀行がイギリスの中央銀行となっており、通常のイギリス紙幣を発行しています。しかし、スコットランドには商業銀行ではあるのですがスコットランド銀行が存在し、スコットランド独自の紙幣を発行しています。ただし、ロンドンなどスコットランド以外の地域では使えないこともあるのでご注意を!

イングランド銀行はシティに本拠を構え、かつては基軸通貨であったポンドを発行しています。長く高金利通貨として君臨していましたが、リーマンショック後には政策金利は0.25%まで落ちました。しかし、カーニー総裁就任後にはブレグジットを乗り越え、QEを終了させ、2017年11月には0.5%、2018月には0.75%へと2度の利上げを実施しました。しかし、ブレグジットの離脱交渉の影響による景気停滞懸念とインフレとの間にたち、運営まますます難しくなりそうです。カーニー総裁の重責はますます高まっています。

リーマン・ショック

英語では2007–08 financial crisesで、和製英語です。2007年のサブプライム・ローン問題というアメリカの住宅ローン問題に端を発した世界金融危機において2008年に起きた事件ですので、正確には2008 financial crisesなのですが、サブプライム・ローン問題を含めてこう呼んでいるようです。

この金融危機は、当初はアメリカのローカルな問題と捉えられていました。しかし、大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが過去最大の約64兆円(6150億ドル)もの負債を抱えて経営破綻に追い込まれたことをきっかけに世界金融危機に発展、日本でも日経平均がわずか1ヶ月で半値以下となる大暴落となりました。アメリカの代表的な株価指数であるS&P500は2008年通年で前年比37%も下落、それまで大きな利益を挙げ続けてきたヘッジファンドも軒並み大きな損失を出し、多額の資金が流出することになりました。そして、すでに長期にわたるデフレで金融緩和策を取っていた日本銀行に続いてアメリカの中央銀行であるFEDQEを開始し、 さらにはECBBOEも続き、現在の世界的な歴史的超緩和政策とアメリカでは2009年から続く株高に繋がっているわけです。

1997年にはアジア通貨危機が、2007~8年にはこのリーマンショック(正確にはサブプライムローン問題を含む世界金融危機)が起きたわけです。その後10年続く株高がいつまで続くのか、神のみぞ知るですよね。

CFTC

英語のU.S. Commodity Futures Trading Commissionの略です。日本語では米商品先物取引委員会と呼ばれています。通貨と金利の先物とオプションを扱うIMM(International Monetary Marketの略語)を統括するアメリカの政府組織で、1974年に設立されました。不正の防止や摘発を行う権限を有しており、実際FX市場においても2014年に6行の投資銀行が為替操作の罪で罰則を受けています。

FXで重要なIMM通貨先物ポジションはもちろん、ドルと相反する動きをし、リスクオフの目安となる金などのポジションもウォッチするようになればプロ級ですね。

CPI

英語のConsumer Price Indexの略語で日本語では消費者物価指数のことです商品とサービスの両方を対象とし、消費者が購入する段階においてのモノの値段の変動、つまり、上昇しているか下落しているかを示す指標です。インフレを表す指標として重要で、その際には生鮮食品を除いたコアCPIが用いられます。

もちろん各国が発表するわけですが、FX において一番重要なアメリカでは毎月中旬に前月分が発表されます。CPIに対して、生産者が製造した商品やサービスの販売価格を示す指標がPPI(Producer Price Index)といわれるもので、FXにおいては両方とも重要な指標です。FRB の利上げ方針を見極めようと市場がインフレ指標に注目している現在は、特に動きをウォッチするようにしましょう!