2. FXの基礎となる為替市場の仕組みと為替レート

2. FXの基礎となる為替市場の仕組みと為替レート

FXもそのうちに含まれる 為替 取引には、さまざまな参加者がいます。銀行や機関投資家、ヘッジファンドなどの投機筋、そして商社や自動車メーカー、石油会社などの輸出入業者、個人投資家 などがそれです。

このうち銀行などの金融機関は、 インターバンク市場というところで取引しています。この市場には、輸出入業者や個人は参加できません。あくまでも金融機関のみです。そして、ここで形成される為替レートが、いわば為替の卸値になります。

一方、輸出入業者や個人は、銀行との間で外国為替取引を行います。これが対顧客市場と呼ばれるものです。ここではインターバンク市場で形成された為替レートに一定の手数料を加味したレート が、適用されます。これを対顧客為替相場といい、銀行店舗にTTS、TTBとして表示されます。通常 、外貨預金や外国債券などの外貨建て金融商品は、対顧客為替相場で取引されています。この為替レートは原則として1日のうち1回だけ決められ、終日適用されます。

 

個人投資家のみなさん でもインターバンク市場並みの条件で取引できる外貨建て金融商品があります。それがFX です。FX は、インターバンク市場での取引と同様に 、常に変動している為替レートの動きを捉えて、さまざまな通貨を売買する取引です。しかも、外貨預金などに比べてはるかに手数料が安い、というメリットがあるのです。

 

外国為替市場のしくみ
図3

 

為替レートも株価と同じで、買い手と売り手のバランス、つまり需給バランス
により 変動します。たとえば、ドルを買いたいという市場参加者が大勢いれば 当然ドルが買われますが、一方で他の通貨 を売らなければなりません。日本の市場参加者であれば円を売ることになります。その結果、ドルは上昇し、円は下落します。ユーロ経済圏であれば、ユーロを売ってドルを買うことになり、ユーロ安・ドル高が進むのです。

 

第3章から第5章で詳しく解説しますが、 需給バランスはいろいろな要因で決まってきます。例をあげると 、景気のよい国の通貨は買われます。その国に投資することによって利益を得る機会に恵まれるからです。景気がよければ株価も上がり、ビジネスチャンス も広がるでしょう。日本の景気回復期待が強まったとき、外国人投資家が日本株を買い円高が進みやすくなるのは、そうした 背景があるからなのです 。

 

金利も、通貨の需給バランスに影響を及ぼします。2つの国の金利を比較し、より高い金利の国の通貨が買われるのです。そのほうが少しでも多くの金利収入を確保できるからです。また、世界の基軸通貨はドルですから、米国の通貨政策が為替レートに影響を及ぼすこともあります。たとえば、米国の通貨当局がドル高政策を重視することで、ドル買いが加速することがあるのです。

 

為替レートの変動のしくみ
図4

 

米国の貿易赤字や中国元の切上げなど 、毎日のように国際経済に関する情報があふれています。そうしたニュース(情報)と為替レートの関係はどうなっているのでしょうか?

 

為替レートを動かす主な要因
図5

 

為替レートを動かす主な要因としては、上の図5に示した4つが挙げられます 。世界の為替(FX) 市場は基本的にドルを中心に動いていますから、米国 の動向が大きく関係していることがわかります。

では、これらの要因を十分に把握し、分析、検証すれば長期的な予想が可能になり、1年後の為替の方向性を当ててFXで勝つ ことが可能になるのでしょうか?答えはノーです。仮に予想を立てた段階ではその方向に進む確率が高かったとしても、突発的な事件や事象が起これば、予想は根本的に変わることになります。将来に起こる事件や事象を知りうる能力など誰にもありません。

 

また、誰よりも早く密かに情報を入手し先回りをして 売買をし、FXで利益を上げる ことはできるでしょうか?残念ながらそれも無理です。世界中のプロが情報収集を競い、かつ瞬時に情報が広まる世界において、一般の個人投資家 のみなさん が相場に影響を及ぼすような重要な情報をプロより先に 入手するなどということは、到底 不可能でしょう。

したがって、予想を立てたり情報を集めたりすることはそれを職業にしている専門家に任せ、みなさん は為替(FX) レートが動いた方向についていくようにするだけで 十分でしょう。